(株)山下設計 名誉顧問、(財)国策研究会 会員
日本戦略研究フォーラム(http://www.jfss.gr.jp/)評議員
昭和17年 滝実業学校を繰り上げ卒業。同期には、桜井一郎、青山定男、安藤三郎(敬称略)といった、後に滝で活躍された先生方がいらっしゃいます。
昭和18年 海軍兵学校へ 20年8月 繰り上げ卒業
戦後、京都大学(法学部)へ進学。24年間の銀行生活(現みずほ銀行、元第一勧業銀行)を経て、山下設計入社。後に副社長、会長を経て名誉顧問に。
若いころの幸運な様々な出会いが、その後の人生に多いに役立ったそうで、例えば、銀行時代には、広島では後にお世話になった山下の関係者が次長だったし、豊橋では帝国ホテルの社長になる人と縁ができ、その結果、インペリアルタワーの設計にもつながったとか。又、海軍時代の人脈も大きかったそうです。山下設計の山下家も海軍出身だそうで、創業者山下寿郎のおじ、山下源太郎は海軍で有名で、司馬遼太郎の「坂の上の雲」、第一巻にも出てくるとか、、
山下設計は、国内の大規模建築物を数多く手がけている、建築設計会社。その中でも、霞ヶ関超高層ビル、NHK放送センター、帝国ホテルを始め多くの大規模建築の受注に大きく貢献されたようです。
⇒(株)山下設計 http://www.yamashitasekkei.co.jp/
村瀬氏の建築に対するポリシーは、
「くつに足を合わせるように建築に人を合わせるのではダメ、その逆で、建築が人にあわせる、つまり、快適に過ごせるように、機能的なものでなければならない。」
(世の中には、デザインなどを重視して、建築に人が合わせないといけない、非常に使い勝手の悪い建築物が多いそうですが。)
また、発注者の意図を大切にする。このことを忘れてはいけない。
ややもすると、受注によって、すり寄ってくる人達がいる。建設業者や設備業者など。
しかし、それらにおぼれてはダメ。施主のためにこれがいいという基本線をもっていないといけない。設計者は大きな力を持っているかわりに大きな責任も持つのだからと。
ものつくり大学では、機能性を重視し、オープンコンペで見事勝ち取ったそうです。
もっとも、設計の受注は、時代とともに、匿名方式からコンペ方式となり、最近では、入札方式となってきたので、なかなかポリシーを持って良い設計をしていても、それが評価されることが難しくなっているとも。
81歳になった現在は、現役を引退しているものの、多忙な毎日で、国策研究会の毎月1回会合あり、山下設計では時々今でも呼び出しや打ち合わせあり、日本戦略フォーラムは3か月に1回会合。
その他、パソコンクラブFPC(古鷹パソコンクラブ)活動、短歌の会「あけび」では毎月1回、八首を郵送で送るそうです。これは毎月雑誌が発行され、それに掲載されるそうで、年一回の総会が楽しみとか。このために、毎日30首書いているそうで、そのうち、8首を一月に選ぶそうです。
本を買ってもつんどく生活で時間が欲しい、とは現役顔負けでびっくりです。
音楽鑑賞も趣味で、先日も渋谷のオペラハウスに友人のモーツァルト メサイヤのコンサートに行ったとか、月1回の散歩会が楽しみだそうです。一日1万歩歩くように心がけているそうで、体重58キロを維持して、健康管理に努めているようです。
最後に、 「質実、剛健、勤勉力行をモットウとする建学精神の滝学園に学んだことを誇りとし、多少でも社会の一隅をてらす真似事でも出来れば」 というお言葉を頂きました。
ますますお元気でご活躍を期待致します。
※平成19年9月7日 東京帝国ホテル1Fロビーにて取材
(文責:S57卒 佐宗美智代)